占い師の第一関門

「結果が悪かった時は、ご相談者に何て言えば良いんですか?」毎年、何度となく聞かれる
質問です。占い師の第一関門と言っても良いかもしれません。この試練に耐えられず、占い
師を辞めた人を何人も見て来ました。このようなご相談には、占うことと併せて、私の個人的
な考えや経験談も交えてお話させて頂きます。

実は、警告にこそ、ご相談者がしっかりと耳を傾けなければならない重要な要素があるので
す。厳しい結果は時に相手の心を傷つけますが、私はそれも止むを得ないことと思っていま
す。ショックを与えてしまったとしても、不安を煽らなければ良いのです。実際には、まだ何も
起きてはいないのですから。その時泣く分には、失うものは何もありません。最悪の状況に
陥ってから泣くのでは、既に遅すぎるのですよ。

占いの的中率は100%ではありませんが、もしもの場合、事前に心の準備ができていたら、
頭の片隅にその情報があったなら、その人の行動はもしかしたら全く違っていたかもしれま
せん。そのような重要な情報を、全て把握している占者の側が、伝えずに知って知らぬふり
ではいけません。ご相談者にとって重要な情報は、ご依頼主のキャラクターによってニュア
ンスを工夫しながら、必ず開示するべきです。

実は、若い頃は私もそのことには大変苦戦していたのです。それでも「西洋占星学=転ばぬ
先の杖」という本来の在り方を大切にして良かったと、ようやく思えるようになりました。忠告
の多い私の鑑定に、あまり良い反応を示さなかったお客様達が、数年後占いが功を奏したと、
再び私の鑑定を必要として下さったのです。

私の尊敬するプロの占者達は皆、厳しい現実から目を背けさせるような占いはしていません。
占い師は安易に夢や希望を持たせる仕事ではないのです。現実をしっかり見据えることの大
切さを教える仕事なのだと、先人から教わりました。



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文・構成・編集 : MONDO / 取材協力 : 采慧(サキ)



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