もう一人の私、現る!

私の双子との出会いは、印象に残る鑑定の一つです。同じ母親から生まれなくても、同一生
年月日で、生まれ時間と場所が近い者同士を、占星学用語で"タイムツイン(時計上の双子)"
と呼んでいます。この世に同じ人生を歩む人は一人もいませんが、双子やタイムツインは同
日のほぼ同時刻に生まれたため、体調や運のめぐりなど、不思議な運命の類似があると言
われています。

世の中に同じ誕生日の人はたくさんいますが、生まれ時間まで近い人は珍しいようです。ヨー
ロッパでは、広告などで自分のタイムツインを探す人もいるそうです。それほど、自然に出逢う
確率は少ないということなのかもしれません。

ある日のご相談者は、初めて出会う私のタイムツインでした。その年私は健康に不安がある年
でしたが、それを見越して数年前から体調を気遣っていたため、無事に要注意時期を乗り切る
ところでした。その反対に彼女は体調を崩し、闘病生活が長引きそうな状況に不安を感じてい
る、というご相談だったのです。

何度となく目にしている生年月日だからこそ、かえって難しさを感じました。性格も、考え方も、
感受性も、私と瓜二つの女性。酷似しているけれど同一ではない。そうとは分かっていても、似
過ぎていることが私の判断を狂わせます。自分のことのように手に取るように分かる、と錯覚
してしまいそうになるのです。

誰もが唯一無二の人生を歩んでいます。たとえ感性が類似している"双子"として生まれたとし
ても、親のしつけ、生活環境、出会った人から受ける影響などによって、歩む道は異なります。
ですから、タイムツインを占う時だけに限らず、人と接する時はいつでも、その人にしか分から
ない経験や感情があることを、片時も忘れたくないと思います。他人のことが自分のことのよう
に分かるなんて、実際にはあり得ないことなのです。



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文・構成・編集 : MONDO / 取材協力 : 采慧(サキ)



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