占い師の面接

最近では、新聞の折り込みチラシやインターネットで"占い師募集"を目にすることも珍しく
ありません。私が所属していた占い館での、ある日の採用面接。「ぁぁぁあなたには憑いて
います……見えまーすっっ!!」面接の様子が仕事中の私達にも漏れ聞こえてきます…。
その場に居合わせた占い師全員が顔を見合わせ一言。「怖い」面接官である上司も、私
たちと同じ考えだったようです。「良かった〜、一緒に働くことにならなくて」皆ホッと一安心
です。取り憑かれているのは彼女自身ではないかと思うほど、ただならぬ雰囲気の占い師
さんでした。

私の面接時はと言えば、履歴書を手渡し世間話。そして占い方法を説明し、しばし歓談。
占い歴を聞かれ、再びお喋りをし、その場で即合格。実技試験もなく、あっさり受かってし
まったことに呆気にとられている私。そんな私に面接官の方は「占い業は客商売だから、
お客様を不快にさせないことが大事なの。接客業では当たり前の事なんだけどね。占い師
って"先生"なんて呼ばれるものだから天狗になっている人もいるし、変わり者も多くてね」と
説明してくださいました。

まずはお客様目線で見て"浮世離れしてない人"ということを選択基準にしていたようです。
一般的にも、占いをする側からしても特殊な業界という印象ですが、採用基準は意外と
普通なのだ、と安心したことを覚えています。


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文・構成・編集 : MONDO / 取材協力 : 采慧(サキ)



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